解雇撤回係争中…それぞれの2021年9月1日(その6)

2021年9月1日は、前日までの8月の陽気とは打って変わって寒かった。その日、僕が起床したのは、丁度正午位だったろうか? その前日は文字どおり一日寝て過ごした。
前提として、僕のアパートにTVはない。純粋に不必要なのだ。オリパラ開催期間中も、一切の関心を寄せずに日常を送ることができた。これは我ながらまあまあかなと感じる。
正午に起床した僕は14時過ぎに外出する。秘密会議出席のためである。18時都内某所。しかし幾分の時間の猶予がある。僕は八王子駅前の某拠点にてPCを立ち上げる。僕らの解雇案件における弁護士の書面をチェックせねばならないからだ。
そうそう、僕と相方のS氏は2020年中に解雇され、労働組合員計2名は職場から駆逐されてしまったのだ。五輪期間中もお構いなしに僕ら労組は解雇撤回係争中である。去年今年と僕らはずっと解雇の対応、特に裁判の準備に明け暮れていた。何がTOKYO2020だ。こちとらFIRE2020だよ!余談だけれどもこれは日本語でいうところの、東京2020に対する解雇2020である。・・・お寒いのが共通点のようで。
2時間弱ほど裁判ないし労組の仕事に取りかかる。オリンピックもパラリンピックもない。ひたすら、これが僕らの日常だ。
17時前。僕は駅へと向かう。電車を乗り継ぎ、革命的秘密会議が行われる某所へ。社内では別件の研究会のテキストである『労働労組とはなにか?』にメモを入れつつ読書する。筆者の持論に首を捻りつつ電車に揺られる。
18時丁度に秘密会議が開始される。来るべき世界革命と今後の方針を議論する。誰ともなしにオリパラなぞ話題を口にするものはいない。いや、そもそも開催期間中にそれらに言及する立ち話に遭遇したこともない。これは恐らく僕が電車なり人混みに、コロナ禍以前に近づかないという元来の性癖を理由とするものではない。はずである、と、思いたい。
20時、秘密会議は終了。今後の行動方針は次回に持ち越しとなった。
9月1日も五輪なんぞとは全く無関係に終わりを向かえるところで帰りの電車にて本稿の筆を取る。これが概ね上述の記録である。

そして、本稿を前にして、改めて五輪と向き合う。
まず、オリンピック及びパラリンピックについてである。僕は五輪という儀式を、『ナショナリズムの祭典』、この一語に断ずる。『国家死滅』を標榜する僕らのような人間において、五輪とは認めがたい存在である。
次に、パラリンピックについてである。これは基礎となる身体能力のみならず、テクノロジーに依るところが極めて大きいことはいうまでもない。端的に言うなれば、各国の資本力(これは他国製品を購入等することも含めて。)があからさまに影響するものである。
このナショナリズムの祭典においては、ドーピングすれすれのトレーニング、栄養管理、選手が生計を維持、つまり、専業となれるか仕事の傍らにトレーニングを行うか等々の、やはり資本力に比例した成績となるだろう。
これら諸々を踏まえると、五輪にヒューマニズムなぞ微塵も感じられるものではない・・・。
そんな、1日。(館 中臣)